建設業許可の法人成り(譲渡契約書)

建設業許可の法人成りを考える際に、新規申請(今までの許可番号が変わる)と認可申請(許可番号を受け継げる)というやり方があります。
認可申請では「譲渡契約書」が必要となります。これは、個人事業主としての建設業許可に関する権利や契約の譲渡を法人に対して行うための契約書です。
具体的には、個人事業主が所有していた建設業許可の「譲渡」を法人に対して行うことを証明するために使用されます。この契約書は、個人事業主から法人への権利や契約の移行を明確にするために必要です。
譲渡契約書は法的に有効である必要があるため、専門家(行政書士)に相談し、契約書が適切であるか確認することをお勧めします。
譲渡契約書の目的
譲渡契約書の主な目的は以下の通りです:
建設業許可に関する契約の譲渡:個人事業主として契約した業務や許可を法人に譲渡し、その所有権が法人に移行したことを証明します。
法人化に伴う資産や契約の移行:法人化に際して、個人事業主が有していた契約や業務(建設業許可を含む)を法人に引き継ぐことを明確にするためです。
譲渡契約書の作成方法
譲渡契約書を作成する際は、以下の項目を盛り込むことが重要です。
- 契約書のタイトル
譲渡契約書という名前をつけて、契約の目的が一目で分かるようにします。
例:「建設業許可に関する権利譲渡契約書」
- 契約の当事者(譲渡人と譲受人)
契約書には、譲渡人(個人事業主)と譲受人(法人)の基本情報を記載します。
例:譲渡人(個人事業主)の氏名、住所、事業内容
譲受人(法人)の商号(会社名)、住所、法人番号
- 譲渡対象の明確化
譲渡する内容を明確に記載します。建設業許可に関して譲渡する内容や具体的な業務(例えば、許可番号や許可された事業の範囲)を明記します。
例:「譲渡人が所有している建設業許可(許可番号〇〇〇〇)に基づく業務を譲受人(法人)に譲渡する」
「譲渡する業務内容:〇〇工事の請負業務全般」
- 譲渡の目的
譲渡の目的や理由を簡潔に説明します。法人化による事業形態の変更が主な目的となることが多いです。
例:「本契約は、譲渡人が個人事業主として有していた建設業許可を法人化することに伴い、法人(譲受人)に譲渡するために締結されるものである。」
- 譲渡条件
譲渡の条件や方法、譲渡時期について具体的に記載します。特に譲渡に伴う手続きやタイミングについて詳細に記述します。
例:「譲渡は、〇〇年〇〇月〇〇日に行い、その後、譲受人は譲渡された建設業許可に基づき業務を継続して行うものとする。」
「譲渡に関して必要な手続き(建設業許可の名義変更など)は譲渡人が責任を持って行う。」
- 譲渡後の責任について
譲渡後の責任や義務がどちらにあるかを明確に記載します。通常、譲渡後は法人が責任を負うことになります。
例:「譲渡後、譲受人(法人)は建設業許可に基づくすべての業務責任を負い、譲渡人(個人事業主)は譲渡後の業務に一切責任を負わないものとする。」
- 署名・押印
契約書には、譲渡人と譲受人(法人)の代表者の署名や押印を行います。これにより、契約が正式に締結されます。
例:譲渡人(個人事業主)の署名
譲受人(法人)の代表者の署名・会社印
譲渡契約日に関して、三重県では譲渡の効力の発生が未到来かつ到来までに45日以上、90日以内という決まりがありますので、認可で法人成りの申請をお考えの業者さまは、時間に余裕を持ってご相談ください。